画像診断

検診エコーで卵巣のう腫と言われたら?良性・境界悪性・悪性の違いと精査方法

健康診断や人間ドックの腹部エコーで「卵巣のう腫があります」と言われることは珍しくありません。多くは良性ですが、境界悪性や悪性の場合もあり、MRIなどによる精査が重要です。この記事では卵巣のう腫の種類と対応について解説します。

はじめに

検診のエコーで「卵巣のう腫があります」と指摘されると、「がんではないか」と不安になるか女性も多いかもしれません。しかし、卵巣のう腫にはさまざまな種類があり、必ずしも悪性とは限りません。この記事では、卵巣のう腫の分類と、精査や対応の流れをわかりやすく解説します。

卵巣のう腫とは?

・卵巣に袋状の病変ができ、中に液体やゼリー状の内容物がたまる状態。

・健診エコーや婦人科受診で偶然見つかることが多い。

・大きさや性状によって対応が変わる。

卵巣のう腫の種類

良性

・生理周期に伴ってできる機能性嚢胞、成熟嚢胞性奇形腫(皮様嚢腫)が代表的。
・手術を行うこともあります。

境界悪性

・良性と悪性の中間に位置する腫瘍。

・手術が検討されます。

悪性

・卵巣がんの状態。

・手術や抗がん剤治療が検討されます。

精査に用いられる検査

・MRI:嚢胞の内部の性状(液体、粘液、脂肪、充実性部分)を詳しく評価。

・CT:転移や腹膜播種の有無を調べる際に使用。

・血液検査:腫瘍マーカー(CA125など)を測定。

経過観察と治療の目安

・小さくて単純な嚢胞 → 定期的なエコーやMRIで経過観察。

・大きい・複雑な嚢胞 、充実性部分のある嚢胞→ 境界悪性や悪性の可能性があるため手術を検討。

・症状がある場合(腹痛、腹部膨満など) → 早めに婦人科受診。

不安なときはセカンドオピニオンも

・「経過観察でいいの?」と不安な場合。

・「手術が必要と言われたけど納得できない」場合。
 

画像診断や婦人科腫瘍の専門医にセカンドオピニオンを受けると安心です。

まとめ

・卵巣のう腫は検診でよく見つかるが、多くは良性。

・ただし境界悪性・悪性のこともあり、MRIでの精査が重要。

・定期的な経過観察か手術かは「大きさ・性状・年齢・症状」で判断される。

・不安があるときは早めに婦人科専門医へ相談を。

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