脳のMRAで「異常がある」と指摘されると不安になるものです。動脈瘤、狭窄、血管奇形などの病気の可能性もあれば、生まれつきの問題のない血管の形の違いにすぎないこともあります。この記事では、MRAで見られる代表的な異常と受診の目安を医師がわかりやすく解説します。
はじめに
人間ドックや頭痛の精査でMRA(脳血管MRI)を受け、「血管に異常があります」と言われると、多くの方は大きな不安を抱きます。
「脳動脈瘤があるのでは?」
「将来、脳卒中になるのでは?」
実際には、MRAで指摘される「異常」のすべてが病気とは限りません。
この記事では、MRAで見られる代表的な異常について医師が解説します。
MRAで「異常」とされる代表的な所見
1. 脳動脈瘤
・脳の血管が風船のように膨らんだ状態。
・大きさや形、場所によって破裂リスクが異なる。
・小さい場合は経過観察になることも。
2. 脳動脈の狭窄や閉塞
・動脈硬化によって血管が細くなる。
・脳梗塞のリスクが高まる。
3. 血管奇形(動静脈奇形など)
・血管のつながり方に異常がある。
・脳出血や脳梗塞のリスクがあり、治療が必要なことがある。
4. 正常な血管の形のバリエーション
・生まれつきの血管の一部が細いなど、「正常変異」と呼ばれるもの。
・異常と記載されても病的意義がない場合が多い。
セカンドオピニオンを検討すべき場面
・「動脈瘤があると言われたが治療が必要か不安」
・「経過観察で良いと言われたが本当に大丈夫?」
・「別の専門医の意見も聞いて納得したい」
脳の血管に関する診断は生活に直結するため、セカンドオピニオンで専門医の意見を聞く価値は大きいです。
MRAで「脳の血管に異常がある」と言われても、それが即「重大な病気」を意味するとは限りません。
・脳動脈瘤、血管狭窄、血管奇形などの病気
・先天的な形の違い
など、さまざまな可能性があります。
不安なときは主治医に詳しく説明を求め、必要に応じてセカンドオピニオンを受けることで安心を得られます。